大阪市営地下鉄のサインシステム・駅名標のフォント

他の公共交通機関と同じく、大阪市営地下鉄でもサインシステムを採用しています。


現行のサインシステムが最初に採用されたのは、昭和52年の本町駅でした。それまでは、ヒゲ文字と呼ばれる独特の書体が採用されていました。

3線が交差する御堂筋線本町駅なんば駅については、地上への出入り口もそれぞれ27ヶ所、29ヶ所と多く、乗客の乗車系・降車系とも複雑に錯そうしているので、まず本町駅から案内表示のトータル・サイン・システムを採用することとし、専門のデザイナーに設計を委嘱して、分りやすい案内標識を整備した。

―「大阪市交通局百年史 406pより」―大阪市交通局



プロトタイプ(昭和52年)
日本語:ゴシック4550?
英字:Helvetica


現行で残っているのは中央線と四つ橋線の二種類。隣駅案内にローマ字がふられておらず、また日本語のひらがなの文字も微妙に異なります。
この文字が何なのかについては色々調べてみましたが、見つかりませんでした。おそらくは見た目からして、営団地下鉄で用いていたゴシック4550だとは思うのですが、ハッキリとした文献は見つけられませんでした。
どことなく、ヒゲ文字時代のものと現行のものの間ぐらいのように感じます。
(ちなみにゴシック4550の名称の由来は縦横比が45:50だから、とのこと)




量産期(昭和53年〜平成24年、英字が入るのは平成元年から)
日本語:見出しゴMB31
英字:Helvetica

1箇所だけ更新された、四つ橋線駅名標。これも隣駅案内にローマ字がふられていませんが、日本語フォントは現行の「見出しゴMB31」になっています。



最新版(平成25年〜)
日本語:見出しゴMB31
英字:Helvetica


2013年御堂筋線本町駅の内装がリニューアルされ、それと同時に駅名標も一新されました。
日本語フォントは見出しゴMB31、英字にHelveticaが採用され、隣駅案内にローマ字がふられている大阪市営地下鉄の現行の標準です。



文献によればこの本町駅を皮切りに、なんば駅でこのサインシステムが採用、引き続いて谷町線都島-守口間で採用された、と記載があります。
次回は都島-守口間のサインシステムについてお話しようと思います。